The Prints
2026年4月4日(土)~19日(日)
12:00 - 18:00 火・水定休
版画には木材や金属などを使って作る「版」によって表現される独特なマチエールがあり、絵画とはまた違った魅力があります。このたび侶居では “ The Prints ” と題して、木版、リトグラフ、シルクスクリーン、エッチング、ドライポイントなど、様々な版画技法で表現された作品30点余りを集めた企画展を開催します。すでに鬼籍に入られた有名作家や、そして日々変化し続ける現代作家の幅広い表現を見ていただく機会となれば幸いです。
2026年4月4日(土)~19日(日)
12:00 - 18:00 火・水定休
版画には木材や金属などを使って作る「版」によって表現される独特なマチエールがあり、絵画とはまた違った魅力があります。このたび侶居では “ The Prints ” と題して、木版、リトグラフ、シルクスクリーン、エッチング、ドライポイントなど、様々な版画技法で表現された作品30点余りを集めた企画展を開催します。すでに鬼籍に入られた有名作家や、そして日々変化し続ける現代作家の幅広い表現を見ていただく機会となれば幸いです。
【 出展者 】(順不同)
【 出展者 】(順不同)
浅野弥衛
Yae Asano
1914年
三重県生まれ
1996年没
独学で絵を学び、厚塗りした油彩を引っかく「引っかき技法」で、戦後日本の抽象絵画において独自の地位を築く。この手法により、無数の繊細な線が重なり合う、内面的な深みを持つ画面を生み出し、生命感あふれる繊細な表現を追求し続けた。
「タマゴのMetaphor 9」
1975年
23.9×18.1cm
エッチング
久保舎己
Sutemi Kubo
1948年三重県生まれ
2023年没
家具職人として働きながら独学で作品を制作。素朴で飾らない力強さと、深い精神性が大きな魅力となっている。四日市公害支援運動に携わった経験から得た社会矛盾への誠実でユーモラスな眼差しが、観る者に強い印象を与えている。
「みんなが僕をカラスと呼んだ」
制作年不明
31×10.5cm
木版
元永定正
Sadamasa Motonaga
1922年三重県生まれ 1938年三重県上野商業学校卒業 2011年没
戦後日本の前衛美術を牽引した画家・現代美術家であり、絵本作家としても広く知られている。前衛芸術の革新性と子供から大人まで惹きつけるユーモアと親しみやすさが共存し、常に観る人を笑顔にする明るさを持っている。
2011年没「あかしろくろ」
1979年
33×47cm
シルクスクリーン
吉岡弘昭
Hiroaki Yoshioka
1942年愛知県生まれ
ドライポイントに深いこだわりを持ち、幻想的な動物をモチーフに哀しみとユーモアを同時に湛えた不思議な世界観が魅力の作家である。人間の内面や社会の真相を寓話的に表現し、幼児・児童の美術教育活動にも携わっている。
「月とフクロウ」
1988年
60×45cm
ドライポイント
伊藤利彦
Toshihiko Ito
1928年三重県生まれ 1950年京都市立美術専門学校(現・京都市立芸術大学)日本画科卒業 2006年没
日本画からキャリアをスタートさせながら、常に新しい現代的表現を追求し続けた。1970年代に制作されたこの作品は、「空間」や「認識」をテーマにし、より観念的で知的な構成となっている。
「scene 8」
1970年
23.5×17.7cm
エッチング
山本容子
Yoko Yamamoto
1952年埼玉県生まれ 1978年京都市立芸術大学西洋画専攻(現・大学院)修了
都会的で洗練された雰囲気と遊び心あふれる世界観が特徴の銅版画家。季節の行事など日常の輝きを柔らかな線で描き「物語」として再構築している。また文学や音楽との相互作用を大切にし、挿絵や装丁なども手掛けている。
「Holiday Holly」
1979年
29.8×16.3cm
エッチング
志野和男
Kazuo Shino
1948年大阪府生まれ
1972年独学で版画を始め、形態や色彩を通して生命や自然の営みを表現することに注力している。この作品は日本で生まれたペーパースクリーン技法で制作され、版画特有の線やテクスチャーを活かすことで観る者に触覚的な印象を与える。
「対生」
制作年不明
30×21.6cm
ペーパースクリーン
山本光生
Kosei Yamamoto
1940年三重県生まれ 2023年没
モダンアート協会会員として長く足跡を残した。シルクスクリーンで複数のアクリル板の裏側から刷り、それを重ね合わせる技法による独特の透明感が表現されている。見る角度によって絵柄が揺らぎ、深い奥行きを感じさせる。
「Work’07-24」
1994年
34×44cm
シルクスクリーン
大西靖子
Yasuko Onishi
1942年神奈川県生まれ 1965年青山学院大学英米文学科卒業
阿蘇山麓のアトリエで制作されたこの作品は、自然が見せる劇的な光の変化を抽象表現へと昇華させていた時期に描かれたもので、深い闇のような「黒」と「赤」のコントラストが印象的である。静寂と情熱が同居するような緊張感と美しさを表現している。
「光の領分-25」
1985年頃
18.5×36.5cm
木版
綿引明浩
Akihiko Watabiki
1960年茨城県生まれ 1984年東京芸術大学美術学部首席卒業
大学院在学中から作家活動を開始。透明アクリル板の裏面から描くオリジナル絵画技法『クリアグラフ』による作品を発表。国内外で個展やグループ展を多数開催。多くの海外アートフェアにも参加する。近年はガラス作品やアニメーションにも挑戦するなど、様々なメディアによるアート表現を展開する。
「幸福のケーキ」
制作年不明
7.4×4.4cm
ピッコロ版画
吉田佳代子
Kayoko Yoshida
愛知県生まれ 1999年武蔵野美術学園修了
平面に宿る無限の世界観をリトグラフで表現している版画家。絶妙なバランスで構成された色の重なりやフォルムは、見る側に想像力を喚起させ、心象風景を思い起こさせる。東京や名古屋での定期的な個展開催の他、作品は個人邸やパブリック空間にも数多く採用されている。
「carton 2025-2」
2025年
23×32㎝
洋紙、リトグラフ
宮下香代
Kayo Miyashita
1964年愛知県生まれ 愛知県立芸術大学美術学部デザイン専攻卒業
主に和紙や金属などを使い、素材感を活かしたモビールなどの立体作品を制作している。その過程で生まれたフォルムを和紙に写し取った平面作品は、その場所に閑静で凛とした空気感を創り出す。
「波打際」
2026年
31×20cm
和紙、墨、紙版
西村光展
Mitsunori Nishimura
1974年三重県生まれ 1999年独学で木版画を始める
通常木版画は黒の止め色が使われることが多いのだが、彼の作品は優しく包み込むような淡い色彩が特徴。まるで四季の移ろいに感じる転生や、何気ない日常の尊さが現れているかのようである。
「海浜植物」
2021年
27×19.5cm
木版
瀬川麻衣子
Maiko Segawa
1981年京都府生まれ 2003年京都市立芸術大学美術科版画専攻卒業
2005年愛知県立芸術大学大学院美術研究科油画専攻修了
彼女の木版画は、自ら「絵に寄せている」と言うように、まるで筆で描かれているかのよう。それでも版画という技法にこだわるのは、いつか消えてしまう「日常の愛おしいものや時間」を「版」に分解して残したいという思いがあるからだという。
「Sunny side」
2020年
41×50cm
和紙、水性木版